鏡の怪談
ある学校では、昔からさまざまな怪談が語り継がれていた。その中でも特に有名なのが「鏡の怪談」だった。
その怪談によれば、学校の女子トイレにある鏡に映った自分の姿を見ると、鏡の中にもう一人の自分が現れるという。その鏡の中の自分は、どんな願いでも叶えてくれると言われていたが、代わりに魂を奪われるとも言われていた。
ある日、学校の放課後、友達のみなは鏡の怪談に興味津々で、女子トイレに集まった。彼女たちはドキドキしながら鏡の前に立ち、自分の姿を見つめた。
すると、鏡の中にもう一人の自分が現れた。その姿は普段の自分と瓜二つで、微笑みかけてきた。
「何か願いはあるかい?」鏡の中の自分が囁いた。
友達たちは戸惑ったが、興味本位で願いを口にした。
「成績が上がりますように」とか、「好きな人に告白できますように」とか、さまざまな願いが飛び交った。
すると、鏡の中の自分がにっこりと微笑んだ。
「願いは叶ったよ。ただし、魂を差し出してくれることが条件だ」と鏡の中の自分が言った。
友達たちは驚き、パニックになった。彼女たちはただの噂だと思っていたが、本当に鏡の中の自分が喋りかけてくるなんて、想像もしなかった。
一人の友達が思い切って鏡の中の自分に問いかけた。
「本当に魂を奪われるの?」
鏡の中の自分は微笑みながら答えた。
「そう、魂を差し出すことで、願いを叶えることができるのだよ」
友達たちは迷いながらも、願いを叶えたいという思いが勝り、魂を差し出すことに決めた。
彼女たちは一人ずつ魂を差し出し、その願いを叶えられた。
しかし、魂を差し出した友達たちは元気がなくなり、やがて姿を消してしまった。
以来、学校の女子トイレには鏡の怪談が広まり、みんなは怖くてその場所に近づかなくなった。